葬儀代のトラブル事例(2)

葬儀代のトラブル事例(2)

長年夫婦として連れ添ったA夫妻でしたが、先日A妻が闘病の末、亡くなってしまいました。長い間A妻が病床にいたので、A夫は深い悲しみを感じつつも、葬儀の準備をしなくてはと思い、事前に取り寄せていた数社分の葬儀社の資料を引っ張り出し、お願いする会社を探し始めました。長年の闘病生活で、貯蓄もあまりなかったので、生前に妻が葬儀は身内だけの質素なものでよいと言っていたことに感謝し、一番安くやってくれる葬儀社にお願いしようと決めました。そんな中、葬儀社の資料の中から、「葬儀一式で○○万円~」という広告を見つけ、その葬儀社にお願いすることに決めました。(便宜上金額は伏せさせていただきますが、葬儀としては相当な低価格です。)安くすましてしまい、妻には申し訳がないと思い心苦しさもありましたが、今後の自分の生活を考え精一杯のことをしてあげればいいかと自分に言い聞かせ、その葬儀社に電話をしました。
担当者は営業に慣れているようで、「本当に葬儀が○○万円でできるのか」というA夫の問いかけに、はきはきと「うちは業界でもかなりお安くしている方で、当社が用意する葬儀一式に関しては○○万円でお受けしていますよ」と返答をしてくれたので安心して任せることにしました。葬儀自体はごく小規模なものでしたが、割合きれいな斎場で滞りなく行われたので、A夫は満足していました。
数日後、葬儀社から予定通り請求書が届いたので、A夫が開いてみると、約束通り葬儀代こそ○○円でしたが、合計の請求金額はそれをはるかに上回る額でした。
慌てたA夫は、すぐさま葬儀社の担当者に連絡をしましたが、当然のように、「葬儀一式に関しては、最初にお話ししたように○○円でおさまっていますよね。それ以外の部分に関しては当社が用意したものではなく、頼んだものですから。」というのです。A夫が「それじゃ約束が違う。葬儀の総額が○○円ではないのか。」と問いただしたのですが、同じ返答が続くばかり。A夫は根負けし、結局請求された代金を支払うことになりました。もちろん納得はしていませんが。
原因:このケースの原因は、「葬儀一式」という言葉にあるといえます。
というのも通常、葬儀にかかる費用は葬儀社支払う分、僧職などに支払う分(戒名料、読経料)、火葬場などに支払う分が必要となります。そのため、葬儀社が葬儀一式といった場合、葬儀社に支払う額がこれだけ(上記事例では○○円)ですよという場合が少なくいのです。しかし、上記事例で、A夫は葬儀一式の○○円を葬儀の総額と思っていたためにずれが生じていたのです。同じような言葉として、「セット料金」という言葉が用いられる場合もあるので同様に注意が必要です。 防ぐ方法;葬儀を依頼する会社に「葬儀を通して、すべてでいくらかかるのか」といったように必ず全額を明示せよという形で質問することで、防げることであると考えられます。この事例で、A夫は「本当に葬儀が○○円でできるのか」としか聞いておらず、それに対する返答が「~葬儀一式に関しては○○円でお受けしますよ」というものであったので、本来的にはその葬儀一式に含まれるのは何か、含まれないものがあるかを聞く必要があったのです。