葬儀代のトラブル事例(1)

葬儀代のトラブル事例(1)

事例:長年夫婦として連れ添ったA夫妻でしたが、先日A夫が闘病の末、亡くなってしまいました。覚悟はしていたものの、A妻は、長年連れ添ったA夫の死に直面し冷静ではいられませんでしたが、近くに頼れる身内もいなかったため葬儀の準備をすることになりました。そこでA妻は、生前夫Aが自分の葬儀は慎ましく行ってくれればよいというのを思い出し、そう多くはない貯金から葬儀代を200万円おろし、葬儀自体には100万円ほどを使おうと予算を決めて、近くの葬儀社に電話をしました。すると、すぐに担当者がやってきて、A妻に打ち合わせを願い出てきました。「早くすませねば・・・無事にすませねば・・・」という考えでいっぱいだったA妻は、予算が100万円程度であることを伝えたものの、担当者が言うままに、カタログから、必要な道具を選び、契約書に捺印しました。
その後、葬儀自体は無事に終了したのですが、届いた請求書を見ると予算の100万円を超えた金額が記されていたのです。驚いたA妻は、早速葬儀社に連絡をしましたが、「請求書の内訳はそちらが注文したものどおりですよ」の一点張り。さらには、「良い葬儀ができたのだから、そのくらいの出費は適正ですよ」と言われてしまう始末でした。
A妻は出費が自分の予想を超えていたこと、葬儀社の担当者の説明が十分でなかったことから、結局後悔する結果となってしまいましたが、実際請求書の内容通りに葬儀が行われていることから、請求金額を支払うほかありませんでした。
原因:このケースでA妻が結果的に後悔してしまった原因は、納得したうえで契約書に捺印をしなかったことおよび、予算の希望は伝えたものの、それがしっかりと反映されていたかを確認しなかった点にあります。
遺族が葬儀を行う際に冷静でいられないことは多くありますが、確認をきちんとしないことによって、後々後悔するケースが多いことも事実のようです。
また、このケースでは近くに頼れる人がいなかったということも原因の一つに挙げられます。一人で対応すると、つい葬儀社の営業に押されて不本意ながら契約をしてしまうという事態に陥ることが多いのです。
防ぐための方法:このようなケースでは、自分の希望をしっかりと持ち伝えることおよび、契約をする際に契約書をしっかりと確認することが有効です。そして、確認した結果、合計金額や、内訳に不満や不明な点が少しでもある場合には遠慮することなく担当者に言いましょう。「早く済ませたい」「無事終わらせたい」という気持ちを持つのが普通ですが、こういう時にこそ冷静な判断が必要となるのですね。
ただ、自分ひとりで冷静な判断をすることは難しいことが多いかと思います。 そのため、近親者または近所の親しい人でよいので、このような契約の際には話し合いに加わってもらうことをお勧めします。第三者を交えることで、納得のいく契約ができることは少なくありません。