日本における葬儀市場の動向

日本における葬儀市場の動向

日本が高齢化社会になったといわれて久しいですが、葬儀市場はどのようになっているのでしょうか。単純に考えると高齢化社会においては葬儀件数が増えるので葬儀市場も盛り上がりそうなものです。
しかし、実情はそう単純ではなく、葬儀件数が増えるに伴い、新規参入業者が増加していることは確かなようですが、市場規模としては横ばいないし微減を続けているのです。
データでみると、2004年の死亡者数は約102万人なのに対し、2005年には107万7千人に増えており、2035年には170万人になるのではないかと予想されているのに対し、市場規模は1.7兆円前後で推移しているのです。
この点についての原因はいくつか考えられますが、一つとしては葬儀に対して消費者がお金を以前よりもかけなくなったということが挙げられます。葬儀に関連する費用として、祭壇・仏壇等の購入費用や葬儀実施にかかる費用である斎場やホールの利用料・供物・飲食代などが挙げられますがそれぞれの単価が減少傾向にあるのです。
また、従来葬儀というある種神聖な儀式の値段を正面から宣伝するようなスタイルはとられていませんでしたが、近年、葬祭業者が消費者のニーズを受けて費用を明確に提示するようになったということも一因といえるでしょう。加えて今までは葬儀に関して料金を低額に抑えることがあまり歓迎されていませんでしたが、消費者の意識の変化に伴い、各消費者の考え方にあわせて必要なものだけを購入することが受け入れられてきているようです。
さらに、上記に意識の変化に関連して近年の葬儀のスタイルとして家族葬が人気となっていることからも裏付けられるように、小規模で行うケースが増加していることも注目すべきといえます。家族構成の変化や人口の都市への集中も複合的な要素として葬儀業界の変化に影響していると思われます。
このように、横這いないし微減で動いている葬儀業界ですが、決して消費者がお金を出さなくなったのではなく、自分たちでしっかりと取捨選択をして葬儀を行うようになったことが最も大きく影響しているのではないかと私は考えています。
ということは、裏を返せば葬儀業者は消費者のニーズに合わせて必要なものを提示していくというスキルを持つことで更なる発展を目指せるのではないでしょうか。