エンディングビジネスという考え方

エンディングビジネスという考え方

従来、葬祭業というと葬祭を執り行うことを基幹とする業態をいい、広くみてもその周辺にある石材販売や仏壇販売を含められる程度でした。また、消費者の目からしても葬祭業との関わりはなるべく忌避したいと考えることが自然であったので、それを大々的にビジネスとして取り上げるのが憚られるような風潮があったと考えられます。 しかし、近年は葬儀を含めた人の死に関する考え方が変化してきたことを受け、葬祭業を総合的なビジネスとして再構築しようとする動きがみられます。
この動きは、葬儀は遺族が行うだけではなく、本人も生前に積極的に関与していこうとすることを反映して、人の終末に関する一切のサービス提供がビジネスとして成り立ちうるというわけです。このような考え方においては、人の終末に関連する商品をどのように連関させていくかがポイントであり、商品の組み合わせで顧客の求めるサービスを提供していかなくてはなりません。 上記の商品展開に加え、近年では従来のように業者にまかせっきりで自分たちは実施するだけという遺族だけではなくなってきており、より積極的に関与して故人及び自分たちの要望を前面に押しだすようになってきています。そのため、サービス色を強く持つ葬祭業者は基幹事業である葬祭の実施においても顧客の満足度が特に重要となり、どのような形で要望を実現していくかを明確に提示できるようになることが必要不可欠ということができます。 また、これに関連して顧客に高い満足度を持ってもらうためには費用と効果が期待する水準と一致していなくてはならなくなります。
今までの見積もりでは、葬儀実施後までわからない部分があっても仕方なしとされ許容されることもありましたが、ビジネスとして行われていく以上は料金体系が明確にされることが必須となるのではないでしょうか。 現に、複雑化した葬儀に関する料金体系をシンプルかつ明確にするというビジネスモデルは日本において成功を収めているようです。
さらに、葬祭ディレクターという資格の創設などを受けて、葬儀業界における社員の教育水準の向上もサービス提供者としてはおろそかにできない部分となってきています。 このように、従来とは違った展開をみせる葬祭業界ですが、ここで課題となっていること、例えば社員の教育水準であったり、費用の明瞭化であったりは、他のビジネスにおいては当然に行われていることであり、今まで葬儀をビジネスとして直接見てこなかったために回避できていた問題に葬祭業界が直面しているとみることができるのではないでしょうか。